インターネットの世界では、W3Cという組織が「Web標準」を定めていてます。 その標準に従って、FireFox、Chrome、Safari、Edge、IEなどの各ブラウザが作られています。 各ブラウザには、独自仕様があったり、実装の「揺れ」があったりします。
「Web標準」は、開発者が全員知っている知識ですが、ブラウザの独自仕様は一般的な知識ではありません。 独自仕様を使ってシステムを作っておくと、その知識を持っている人しかメンテナンスができませんので、必ず高コストになります。 システム全体は、「Web標準」に従って設計しておくことが重要です。
「Web標準」の知識がある人は、日本に数10万人は存在します。 「HeartCore」の知識がある人は、おそらく、日本に数100人程度だと思います。 その「HeartCore」を、各企業様向けにカスタマイズして使っておられるので、さらに「独自仕様」となっています。
カスタマイズされる際には不具合が発生するもので、その不具合を回避する知識までも含めると、CMS全体を完全に理解している人は数人のレベルだと思います。 運用しながら不具合を修正されるということは、仕様が変わるということで、技術者は知識を更新し続けないといけません。 たとえば、技術者が半年のブランクの後に現場に復帰しても、仕様が変わってしまっているため、すぐにはCMSを扱うことができません。
HTMLの制作という難易度の高い非定型の作業を、CMSを使うことで、誰でも扱える「定型作業」に落とし込みコストダウンができる、との触れ込みですが、実際には難易度は下がりません。 制作現場では、「Web標準」の知識に加え、CMSの「独自仕様」の知識まで求められることになり、むしろ、難易度が上がります。 講習会やトレーニング無しでCMSを使うことは、できません。 ご担当者が変わったら、また講習会やトレーニングからやり直しになります。
汎用的な技術である「Web標準」のみを使って、Webサイト全体を作っておきます。 これにより、数10万人の技術者が、いきなり仕事を振られても対応できるようになります。
Webの運用コストを抑えるためには、人件費や事務所費を抑える必要があります。 人件費に掛かる税金を減らすために、アルバイトに実作業をやってもらう体制を作ります。 「Web標準」のみで作ってあれば、難易度が高い作業であっても、アルバイトでの対応が可能になります。
事務所費用を抑えるため、作業場所は地方に置きます。 家賃が東京ほど高くなく、優秀な学生アルバイトを確保しやすい、京都・大阪あたりが良いと思います。 (海外は安いですが、日本語を扱えないため難しいです。)
「Web更新発注システム」を作って運用します。 管理画面から、誰がどのような発注を行ったのか、いくらの請求があったのか、などを確認することもできます。 制作時のTipsやノウハウはシステムに保存しておき、ご担当者が変わっても容易に引き継げるようにしておきます。